ブログパーツUL5 『starry sky その4 暁の翡翠の賢者 』 | ふぁんだめんたる・F

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『starry sky その4 暁の翡翠の賢者 』
 *ようやくUPできます。轡箕津さまリクエスト。ユーなのでnot幼馴染もの。ようやく二人が出会いましたが・・OKな人は続きからどうぞー
 


『暁の翡翠の賢者』







結局は、そう。

 

空は何時だって蒼い。

雲に乗ることはできず、星を掴むなど、以ての外。

そういうものだ。

 

それでも、ユーノは手を伸ばした。

 

無論、空を切るのみで、重力に逆らうことなど、できるはずもなかったが。

そんなことは、最初から知っていたので、気にもならなかった。

 

はぜる思考に、自嘲。

遠ざかる空との距離を罵倒して。

それでもユーノが手を伸ばしたのは。

 

「ーーーーーーっ!!!」

 

きっと、その手を空につなぎ止める存在がいると、知っているから。

 

 

***

 

見慣れた天井が、今日に限ってよそよそしいく感じられるのは、何故か。

答えは単純かつ滑稽。

ベッドから落ちたのだ、寝ている間に。

 

「やっぱり夢が夢だったから、かなぁ…」

 

そう、あれはあのときの夢だ。

己の命の危機と、そして特別な出会いの、思い出の、切れ端。

 

自身と共にずり落ちたのだろう、しわくちゃの毛布を頭から被ると、再び安眠の友−またの名をベッドという−へダイブ。

起きる気は毛頭無い。

というか、起きるのが怖かった。

ともすれば、己の死よりも何よりも、現実と向き合うのは、怖い。

 

もう少し時計の針が左へとずれれば、夜の帳は取り払われるだろう。

時は当たり前のことながら、無情なのであるからして。

朝が、来る。

 

ああ、ああ。ユーノはシーツと毛布の波に身を隠して尚、自らの腕で庇う様にして頭を抱えた。

 

考えるだに嫌なことだが、考えなくてはなるまい。これからのことに、深く関わってくることになるだろうから。

試しに、深呼吸。背をつたう冷たい汗くらい、どうにかならないものか。

ユーノの、ある種画期的な試みは、余計に呼吸が乱れただけで、なんの鎮静にもならず。

結果、苦い苦い自己嫌悪の味だけが、妙に口内に広がっただけだった。

 

――昨日、そう、信じられないことにたったの数時間前のことなのだが−ユーノは『彼女』に出会った。

出会ったのだ!

 

ただし、最悪な出会い方だったが。こちらにとっても、きっと、むこうにとっても。

見開かれた紫紺の、いつもの星の煌めきの中に隠れていた驚きと困惑を、感じ取れないほどに馬鹿であったなら!

しかし、ユーノの願いが叶うことは、これからもきっとなく。

結局、こちらは愛想笑いでニタリニタリしながら、あちらは笑顔にほろ苦さを滲ませたままに、お開きと相成ってしまった。

 

[君が悪いんだろう]

脳髄に反響する憎たらしいほど落ち着き腐った声に、ええそうでしょうよ!君に言わせりゃね、と噛み付いておく。

[せっかく、君の命の恩人であり、長年の想い人である高町なのは教導官と会えるよう、セッティングしてやったというのに]

やれやれ、と肩をすくめ、声の主―クロノ・ハラオウンは、ため息。

[君の日ごろの行いの悪さのせいとしか、言いようがないな]

よし、まずは貴様を時限の海に沈めてやる。話はそれからだ。

[僕なら、エイミィにあんな情けない様を見られるくらいなら、今後十年間聖王教会に五体倒置するほうがましだね]

だったら今すぐしてみろ、映像に永久保護魔法をかけてエイミィさんに送ってやる。

 

すでに思い出となった彼の前でなら尽きることのない悪口雑言も、それが現在のものであったときには、もはや言い返す気力も何もかもが残っていなかったため、そのままに放ってきたが、間違っていた。

ぶん殴るべきだった。

後悔は、後に悔いるから『後悔』書くのであって、それならばユーノには当てはまらない。今、悔いているのだから。

 

ああ、そうだ。心が呻く。

ユーノは悔いている。あの黒いナントカのことも、当然含めてだが。

 

彼女と初めて出会ったときに、名前を尋ねることができなかったこと。

助けてもらったことに対し、感謝の言葉すら述べられなかったこと。

彼女を目で追ってしまうくせに、話しかけることすらできなかったこと。

 

全てに通ずる、ユーノに足りないものは、たったの一言。

勇気。

 

そして。

不平等なこの世界おいて、時は全てに平等な速さで流れていくのであって。

それは、意気地なしの寄る辺も、例外でなく。

 

今、朝日が照らし出す。

見えなかったものを、見えるように。

見えていたものを、見えるように。

世界の、反転。

 

それはまた、ちっぽけな存在にとっても同じことなのであった。

 

なのは | permalink | comments(1) | trackbacks(0)| -
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この記事に対するコメント

お久しぶりです。
これからどう転がっていくのか、楽しみです。
その3が有りませんが消したんでしたっけ?
早めの再upを祈っております。
轡箕津 | 2009/06/18 10:03 PM
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